60代になると、これまでとは違った形で自分の人生について考える機会が増えてきます。
定年を迎える。子どもが独立する。親としての役割が一段落する。仕事中心だった生活が変わる。
そんな節目を迎えたとき、ふと、
「自分の人生、このままでいいのだろうか」
「やり残したことがある気がする」
「この先、何を楽しみに生きればいいんだろう」
「残りの人生をどう過ごしたらいいのかわからない」
と感じることがあります。
これまで仕事や家族のために一生懸命生きてきた人ほど、自分自身のことを後回しにしてきたかもしれません。
60代は、これまでの人生を否定する時期ではなく、これからの人生を自分のために考え直せる時期でもあります。
「このままでいいの?」という気持ちが出てきたときこそ、第二の人生について考えてみましょう。
60代になると「このままでいいの?」と思うのはなぜ?
人生には、いくつか大きな節目があります。
就職、結婚、子育て、住宅購入、昇進など、若い頃から50代くらいまでは「次にやるべきこと」が比較的わかりやすかった人も多いでしょう。
ところが60代になると、その状況が変わります。
定年によって仕事という大きな目標がなくなったり、子どもが独立して親としての役割が減ったりします。
すると、それまで忙しさの中で考える余裕がなかった、
「自分は本当はどんな人生を送りたかったのだろう?」
という問いが浮かんでくることがあります。
これは、これまでの人生が間違っていたという意味ではありません。
人生の大きな役割が変わり、「これからは何を大切にするのか」を自分自身で決める時期に入ったとも考えられます。
これまでの人生を「できなかったこと」だけで評価しない
60代になると、過去を振り返る機会も増えてきます。
「あのとき別の仕事を選んでいたら」
「もっと家族との時間を大切にすればよかった」
「若いうちに挑戦しておけばよかった」
「あの夢を諦めなければよかった」
そんな後悔が出てくることもあるでしょう。
しかし、過去の自分は、そのときの状況の中で選択をしてきました。
家族を守るために働いた。
生活のために夢を諦めた。
安定を優先した。
そうした選択にも、それぞれ理由があったはずです。
第二の人生を考えるときに大切なのは、過去を後悔することではなく、「今の自分だからできることは何だろう?」と考えることです。
過去は変えられませんが、これからの時間の使い方は変えることができます。
「あと何年あるか」ではなく「これから何をしたいか」
60代になると、若い頃よりも残された時間を意識することがあります。
「今さら新しいことを始めても遅い」
「もうこの年齢だから」
と、自分で可能性を狭めてしまう人もいます。
しかし、何かを始める理由は、それを何十年も続けるためだけではありません。
行ってみたかった場所へ旅行する。
昔好きだった楽器をもう一度始める。
料理を覚える。
新しい仕事に挑戦する。
資格の勉強をする。
昔の友人に会いに行く。
やってみたいことがあるなら、まず一度試してみてもよいでしょう。
第二の人生では、「役に立つか」「お金になるか」「人から評価されるか」よりも、「自分がやってみたいと思うか」を基準にできることも増えてきます。
「やり残したこと」を書き出してみる
これから何をしたいのかわからないときは、一度紙に書き出してみるのがおすすめです。
「死ぬまでに一度はやってみたいこと」
というと少し大げさに感じるかもしれませんが、小さなことで構いません。
たとえば、
・北海道をゆっくり旅行したい
・昔の友人に会いたい
・夫婦で温泉旅行へ行きたい
・一人旅をしてみたい
・料理を覚えたい
・犬を飼いたい
・田舎暮らしを経験してみたい
・もう一度恋愛してみたい
・小さな仕事を始めてみたい
・家族に感謝を伝えたい
など、思いつくまま書いてみましょう。
「できるかどうか」は、あとで考えれば構いません。
最初から現実的に考えすぎると、本当に望んでいることまで消してしまうからです。
書き出した中に「少しでもやってみたい」と思えるものがあれば、それが第二の人生を考えるヒントになるかもしれません。
これから「何をするか」より「どう生きたいか」を考える
第二の人生について考えると、
「趣味を見つけなければ」
「定年後も働いたほうがいいのかな」
「何か目標を持たなければ」
と思ってしまうことがあります。
しかし、もっと大切なのは「何をするか」よりも「どんな毎日を送りたいか」かもしれません。
たとえば、
「時間に追われず暮らしたい」
「好きな人たちと過ごしたい」
「健康を大切にしたい」
「誰かの役に立ちたい」
「知らない場所へ行ってみたい」
「人に気を遣わず自由に暮らしたい」
などです。
自分が望む生き方がわかれば、そこから具体的な行動を考えやすくなります。
「自由に暮らしたい」なら、仕事を減らす。
「人とのつながりを大切にしたい」なら、友人に連絡してみる。
「新しい経験をしたい」なら、行ったことのない場所へ出かけてみる。
大きな人生の答えを出さなくても、小さな行動から生活を変えていくことはできます。
人生を一気に変えようとしなくてもいい
「このままではいけない」と思うと、仕事を辞める、引っ越す、離婚する、移住するといった大きな変化を考えることもあります。
もちろん、それが必要な場合もあるでしょう。
しかし、人生を変える方法は大きな決断だけではありません。
毎朝30分散歩する。
月に一度知らない街へ行く。
週に一度好きなことをする日を作る。
興味のある講座に申し込む。
会いたかった人に連絡する。
こうした小さな変化でも、毎日の景色は変わっていきます。
まずは「これならできそう」と思えることを一つ試してみる。
そこで何かを感じたら、次の一歩を考える。
第二の人生は、最初から完成した計画を作るのではなく、試しながら自分に合った生き方を見つけていくくらいでもよいのです。
「この先どうしたらいい?」と一人では答えが出ないとき
自分の人生について考えていると、
「本当は何をしたいのかわからない」
「何を選んでも後悔しそう」
「今から人生を変えていいのだろうか」
と迷ってしまうことがあります。
家族に相談すると心配されそう。
友人には弱音を見せたくない。
そんな理由から、誰にも話せず一人で考え続けている人もいるでしょう。
しかし、自分の人生だからこそ、客観的に見ることが難しい場合があります。
そんなときは、信頼できる人や第三者に話してみるのも一つの方法です。
人生相談やカウンセリングなどを利用する方法もあります。また、「これからの人生について違う視点から考えるきっかけがほしい」という人の中には、占いを利用する人もいます。
占いに人生の答えを決めてもらう必要はありません。
大切なのは、誰かとの対話を通じて、
「本当は何に不満を感じているのか」
「本当は何をやってみたいのか」
「これから何を大切にしたいのか」
という自分自身の気持ちを整理することです。
自分だけでは同じところをぐるぐる考えてしまうなら、第三者の視点を借りることで、これまで気づかなかった選択肢が見えてくることもあるでしょう。
60代は「残りの人生」ではなく「これからの人生」
60代になると、「人生の残り時間」という言葉が気になることもあるかもしれません。
しかし、第二の人生を考えるときは、「あと何年あるのか」だけに目を向ける必要はありません。
大切なのは、これからの時間をどう使うかです。
これまで仕事を優先してきたなら、自分の時間を増やしてみる。
家族を優先してきたなら、自分がやりたかったことを始めてみる。
ずっと同じ場所で暮らしてきたなら、新しい場所へ出かけてみる。
人生を大きく変える必要はありません。
「これから少し楽しみだな」と思えるものを、一つずつ増やしていく。
それだけでも、第二の人生は変わっていきます。
「このまま人生を終えていいの?」
そう感じたことは、これまでの人生を否定する理由ではなく、これからの生き方を考えるきっかけにできます。
60代からでも、新しい選択はできます。
誰かが決めた「理想の老後」ではなく、自分自身が「こんな毎日なら悪くない」と思える第二の人生を、これから少しずつ作っていきましょう。
